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新認定医療法人制度を利用した医療法人の事業承継のご提案

主な課題

・相続税・贈与税の負担が過大となり、医業継続ができない
 医療法人を設立した当初は、小規模な診療所だったが、その後、規模が大きくなり病院を運営するまでになった。
 
 純資産が増えた場合、持分の評価額は、増加した純資産に応じて増加するため、相続税・贈与税が想定以上に多額となる。
 
 その結果、医業の継続が困難になるケースがあり、「持分あり医療法人」を経営する理事長先生にとって、対処すべき重要な問題となっている。
聴診器を備えたデスク
その他の様々な課題
・出資者の死亡に伴う相続税負担による医業継続への支障をもたらす可能性がある。
・出資持分のある医療法人には出資金の払戻請求などのリスクがある。
・2007年4月1日以降、出資持分のある医療法人は設立できなくなっている。
・持分を相続したことによる多額の相続税の納税資金の確保が必要となる問題。
・出資持分とは言っても、中身は建物と医療機器が主であり、放棄することを検討する必要性。
・病院・クリニック経営に関して、後継者が定まっていない
・医療法人の出資持分を相続・贈与すると、後継者に多額の相続税・贈与税が課せられる問題。

​対策案

 上記課題に対して、以下の4つの対策案が考えられる。
Ⅰ 相続税・贈与税を負担可能なレベルに下げる。
Ⅱ 相続税・贈与税を制度を利用して回避する。
Ⅲ 医業継続を断念して、売却または廃業する。
Ⅳ 現在の状況を継続する。
 それぞれの対策案の内容、メリット、デメリットを検討する。
Ⅰ 相続税・贈与税を負担可能なレベルに下げる。
【内容】
 相続税及び贈与税の削減は、相続財産の評価を引き下げスキームを利用する。
 相続税及び贈与税を負担できる資金調達を実施する。
【メリット】
 所有権(オーナーシップ)と経営権に変更はない。
 負担可能なレベルでの資金がある場合、手続きがシンプルとなる。
【デメリット】
 相続財産の評価引き下げスキームに伴う投資が生じ、追加での事業リスクを伴う。
 手許現預金などの資産が減少する。
 資金調達をする場合、十分な返済能力が必要である。
【まとめ】
 相続税及び贈与税の削減案は、投資を伴うスキームが必要となり、手許現預金を減少させずに実施するには、資金調達を実施するか、医業経営に影響のない資産の売却をする必要がある。
Ⅱ 相続税・贈与税を制度を利用して回避する。
【内容】
 法人制度を利用した租税回避を実施する。
【メリット】
 相続税、贈与税の回避(納税猶予)ができる。
 持分の払戻請求書の行使を避けることができる。
【デメリット】
 認知医療法人への移行は、複雑である。
 認定要件を満たす必要がある。
 6年間の運営の適正性要件を満たす必要がある。
 時限立法であるため制度利用の時期にかぎりがある。
【まとめ】
 相続税及び贈与税の回避は可能であるが、認定されるための準備と、認定から6年間は法人運営の適正性を示す必要がある。
Ⅲ 医業継続を断念して、売却または廃業する。
【内容】
​ 医療法人の売却による精算
​ 医療法人を廃業することによる精算
【メリット】
​ 売却により、分配可能な相続財産が用意できる。
​ 医業経営に伴うストレス等がなくなる。
【デメリット】
 医業から生じる収入がなくなる。
​ 持分の譲渡に伴う課税が生じる。
【まとめ】
 医業の継続を必要としない場合、医療法人の売却は有効な手段となる。
Ⅳ 現在の状況を継続する。
【内容】
 「持分あり医療法人」のまま、現在の状況を維持する。
【メリット】
 持分に対する所有権、医療法人に対する経営権の変更は生じない。
 後継者の探索・育成、相続税及び贈与税に充当する資金の準備時間を得る。
 相続発生時に何ら対策がないため、通常の相続税が発生する可能性がある。
【デメリット】
 予期せず持分の払戻請求書の行使される可能性がある。
 事業承継に関する事前検討が実施されず、医業継続が危ぶまれる。
 制度が時限立法であるため、利用できなくなる可能性がある。
【まとめ】
 現状、どれくらいの相続税・贈与税が生じるかの把握がしたうえで、現在の状況を継続する意図を明確にすべきと思われる。

​結論

 医業を継続し、相続税及び贈与税の多額の負担を回避したいのであれば、認定医療法人制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

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