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執筆者の写真望月 史郎

月末の会計業務を効率化するための9つのステップ


真剣に事業を進めていく中で、月初や月末の月次決算は重要な業務であることは明白です。しかし、事業運営に集中していると、決算の重要性を理解していても、つい後回しにしてしまうことがあるかもしれません。成功している経営者や財務に精通している方は、決めるべきタイミングで確実に対応し、数字で結果を出しています。月次決算はビジネスの基盤を固め、次のステップに進むための重要なプロセスです。今回の記事では、その重要性を再確認しながら、実務的なポイントを詳しく説明します。

1. 請求書の作成と整理

月末の業務の基本は、当月の請求情報を整理し、請求書を作成することです。理想的には、月初の1営業日の午前中までに取引先に請求書が届く体制を整えることが重要です。これにより、送付先にとっても受取側にとってもスムーズな対応が可能となり、支払いの遅延リスクを軽減できます。

2. 経費精算の完了

月末までにすべての経費精算を完了させましょう。特に、経営者の方は自分自身の経費精算を徹底することが重要です。これは、会社の財務状況を正確に把握し、健全な経営を行うための第一歩となります。事業を進めるなかで金額的な重要性は低いかもしれませんが、性質としては重要性は高い事項と考えます。ここが緩むと全体が緩んでしまいます。経営者自らが緩ませることは避けましょう。

3. 入金消込の実施

月末の午前中に入金消込を実施しましょう。特に月末入金が多い場合、入金が確認できたものを消込処理し、午後までに入金されていない項目については重点的に確認します。これにより、未回収のリスクを最小限に抑えられます。

4. 勤怠情報の入力

月末には、従業員の勤怠情報を確認し、事前入力を済ませておきましょう。日々の勤怠データ入力を怠らないことが、給与計算の精度を高めるポイントです。

5. 証憑の整理と会計事務所への送付

月末までにすべての証憑を整理し、会計事務所に送付することを忘れないようにしましょう。特に、外部の会計事務所に依頼している場合、早めの対応が重要です。

6. 売掛金・買掛金の管理

月末時点で未回収の売掛金があるかどうか確認し、必要に応じて取引先にリマインダーを送信しましょう。また、買掛金の支払い状況も確認し、翌月に大きな支払いがある場合は資金繰り計画に反映させます。

7. 銀行口座残高の照合

月末時点での銀行口座の残高を確認し、帳簿上の残高と一致しているかを照合しましょう。未処理の入出金がないか確認し、必要に応じて調整を行います。

8. 現金実査の実施

現金を取り扱っている場合は、現金実査(現金の実地棚卸し)を行いましょう。帳簿上の現金残高と実際に保管している現金残高が一致しているか確認し、差異があればその原因を調査して修正します。

9. 固定資産や在庫の棚卸し

製造業や小売業を営んでいる場合は、月末に固定資産や在庫の棚卸しを行うことも必要です。特に在庫の評価まで適切に行えれば、原価計算や財務報告の精度も保つことができるため、重要なステップです。

ステップアップを目指すための追加項目

月末業務をさらに改善し、経営の質を高めたい場合、以下の項目を検討してみてください。

  • 税額試算: 月次で税額の試算を行い、キャッシュフロー計画に組み込むことで、経営の安定性が向上します。

  • 固変分解: 固定費と変動費を分解して分析し、コスト構造の見直しを行いましょう。

  • 売上と原価の対応確認: 売上に対してどれだけの原価がかかっているかを確認し、利益率向上のための戦略を考えます。

  • メモタグの活用: メモタグを利用して、関連データを効率的に紐付け、分析や報告の精度を高めましょう。

  • 原価の振り返り: 月次ごとに原価を振り返り、次月以降のコスト改善に活かす取り組みを行いましょう。

月末の会計実務は、単に作業をこなすだけでなく、企業の財務状況を正確に反映し、将来の成長につなげるための大切なプロセスです。基本的な実務をしっかりと行ったうえで、さらなる改善を目指し、効率的な月次決算体制を整えていきましょう。

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