来年に向けて、税制の変更を意識し始めるタイミングです。最新の税制改正内容を押さえておくことで、将来的な対応に余裕が生まれます。忙しい日々の中でも、税制の制度変更をしっかり把握し、最適な準備を進めましょう。
2025年度(令和7年度)の税制改正に向けた議論が進む中、AI分野への投資促進やデジタル化推進を目的とした新しい税制措置が注目を集めています。本記事では、2025年度税制改正に向けたスケジュールや、新たに提案されている税制措置について詳しくご紹介します。
2025年度税制改正のスケジュール
2025年度税制改正に向けた手続きは、例年通り以下の流れで進められる予定です。
税制改正要望の提出(2024年8月末)各省庁は、税制改正の要望を財務省や総務省に提出。これが改正議論のベースとなります。
与党税制調査会での審議(2024年9月~12月)与党の税制調査会で、各省庁や業界団体からの要望をもとに議論が行われます。この期間で税制改正の骨子が作成されます。
税制改正大綱の公表(2024年12月中旬)「税制改正大綱」として、翌年度の具体的な税制改正内容が公表されます。
法案提出と閣議決定(2025年1月)政府は税制改正法案を通常国会に提出し、閣議決定します。
国会審議と法案成立(2025年3月末)国会で法案審議が行われ、成立した法律は原則として4月1日から施行されます。
新設される税制措置の注目点
2025年度税制改正要望では、特に以下の新設項目が注目されています。
特定公益増進法人への寄附に関する損金算入限度額の拡充(法人税)公益活動への寄附を促進し、企業の社会的貢献を後押しする措置。
再資源化促進税制(法人税)環境保全と資源循環を支援するための税制。
産業用地整備促進税制(所得税、法人税)地域経済を活性化するための産業用地整備を推進する措置。
老朽化マンション再生税制(法人税、消費税)老朽化したマンションの再生を支援し、都市部の再開発を促進するための特例措置。
AI分野投資促進のための税制改革
特に注目すべきは、経済産業省が提案する AI分野への国内投資拡大を目的とした税制措置 です。
1. イノベーション拠点税制
特許権やAI関連プログラムの著作権収入に対し、30%の所得控除を適用。
日本をイノベーション拠点として強化する狙い。
2. DX投資促進税制の見直しと延長
クラウド技術を活用したデジタル関連投資に税額控除(最大5%)または特別償却(30%)を提供。
適用期限を2025年3月31日まで延長し、デジタル化を加速。
3. 産業競争力強化法に基づく事業適応計画の認定
全社的なDX推進計画の認定により、上記の税制措置が利用可能に。
これらの施策により、企業のデジタル化が進むだけでなく、日本国内でのAI技術開発・利用が加速することが期待されています。
まとめ:日本経済の未来を支える税制改正
2025年度の税制改正では、社会課題の解決や地域経済の活性化に寄与する新たな税制が導入される予定です。特に、AIやデジタル技術に関連した税制措置は、企業の競争力を強化し、日本全体の経済成長を支える重要な柱となるでしょう。
これからの税制改正を有効に活用し、自社の成長戦略に組み込むことが求められます。最新情報については随時確認し、専門家への相談もぜひご検討ください。
Comments