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執筆者の写真望月 史郎

~簡易課税を選択した場合に使用する「みなし仕入率」とは。~

更新日:7月9日

中小企業者に対する特例として「簡易課税」という制度があります


記事の目次


・「簡易課税」の計算方法

・みなし仕入率とは

・事業区分の具体例

・「原則課税」との比較



 消費税の納付額の計算方法は、「原則課税」と「簡易課税」の2つの方法で計算することが出来ます。


 今回は「簡易課税」を選択した場合の計算方法についてです。



「簡易課税」の計算方法は次のとおりです


  「課税売上の消費税」-「課税売上の消費税」×「みなし仕入率」=消費税の納付額


 売上にかかる消費税に業種ごとに定められた控除率をかけて計算した金額を、課税仕入れ額とする方法です。



 みなし仕入率とは


 みなし仕入率は次のとおりです。

事業区分

みなし仕入率

該当する事業

第一種事業

90%

・卸売業(他の者から購入した商品をその性質、(注1)形状を変更しないで他の事業者に販売する事業)

第二種事業

80%

小売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで消費者に販売する事業)

第三種事業

70%

農業・林業・漁業、鉱業、建設業、製造業((注2)製造小売業を含みます。)、電気業、ガス業、熱供給業および水道業

第四種事業

60%

第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業および第6種事業以外の事業。(飲食店業などです。)

第五種事業

50%

運輸通信業、金融・保険業 、サービス業(飲食店業に該当する事業を除きます。)

第六種事業

40%

不動産業

(注1)箱詰めなども該当します。


(注2)製造小売業とは、弁当屋が店で弁当を作り販売する場合、お菓子屋、ケーキ屋が店でお菓子やケーキを焼いて販売する事業をいいます。


 事業区分の具体例


 ①製造業を営む事業者が、他の事業者に対して製造した製品を販売した場合

 →第一種事業に該当します



 ②文房具の販売業を営む事業者が、仕入れた商品を一般消費者へ販売した場合

 →第二種事業に該当します



 「原則課税」と「簡易課税」の計算結果の違い


 例えば①製造業で考えてみます。①製造業の場合は第一種事業に該当します。


 みなし仕入率は90%になります。


 売上 10,000,000円


 経費  5,000,000円


 原則課税の場合は


 10,000,000×10% - 5,000,000×10%=500,000円(納付する消費税)


 簡易課税の場合は


 10,000,000×10% - 1,000,000×90%=100,000円(納付する消費税)


 原則課税 500,000 > 簡易課税 100,000円 (納付する消費税)


 今回の用に簡易課税が有利になるケースがありますので、簡易課税を検討されることをおすすめします。


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